「根室半島半チャシ群」チャシとは北海道に有るアイヌ民族が造ったある種の施設の事で、面崖式と呼ばれる崖地の上に半円形の壕を築いて内部をチャシとした独特のものが多く残されています。チャシはチャシコツとも呼ばれ松前藩との戦で東に退却していったアイヌ民族が、1789年に「クナシリ・メナシの戦い」にて丘陵や崖地を占領してコの字型や半円形の堀を造り土塁で曲輪を造ったのが始まりとされます。チャシの中に建物が有ったのではと想像されていますが詳細は不明です。

そのチャシは戦争の時の砦として城のような役割を果たし、聖地として扱われ祭礼や会議を行う重要な場所でした。根室市内には32カ所のチャシが有り24カ所が国の史跡となっていてさらに日本の名城100にも選ばれています。

24のチャシの所在地は根室市穂香に有るものは(1)ポントマリ2号チャシ (2)ポントマリ3号チャシ  (3) ニランケウシ1号チャシ(ホニオイ東3号チャシ) (4)ニランケウシ2号チャシ(ホニオイ東2号チャシ) (5)ニランケウシ3号チャシ(ホニオイ東1号チャシ)  (6) アッケシエト1号チャシ(キナトイシ1号チャシ) (7)アッケシエト2号チャシ(キナトイシ2号チャシ) (8)シエナハウシチャシ(スナバウスチャシ) すべて面崖式の構造を持ちます。

根室市牧の内に有るものは(9)コタンケシ1号チャシ (10)コタンケシ2号チャシが丘先式構造を持ち(11)ノッカマフ1号チャシ (12)ノッカマフ2号チャシが面崖式で(13) 根室市豊里に有るサツコタンチャシは岬や丘陵の先端を弧状の壕で区切った丘先式です。

根室市温根元に有る (14)コンブウシムイチャシ(トーサムポロチャシ) (15)トーサムポロ沼5号チャシ (16)トーサムポロR1西チャシらが面崖式で、(17)ピリカヲタチャシ (18)トーサムポロ沼1号チャシ (19)トーサムポロL2チャシ (20)オンネモトチャシは丘先式です。 根室市落石に有る(21) アフラモイチャシは丘先式で(22)ポンモイチャシは根室市納沙布岬に有って面崖式構造を持つ(23)チャルコロフイナ1号チャシと(24)チャルコロフイナ2号チャシは根室市温根沼に有ります。

これらのチャシ群は比較的近い場所に集まっていて遺構が空堀なのですが保存状態が良いです。北海道には約500ものチャシが有り、見学しやすいのがオンネモトチャシ群です。 納沙布岬から約2.5km離れていてチャシの全貌を見渡すには港側から見た方が全体の構造が解りやすいようです。チャシ群の伝説では、北見アイヌの一軍が十勝に侵入し凶暴残虐を尽くし沿道のアイヌコタンを略奪、抵抗する男子は惨殺され広尾にまで迫まってきました。ここで「メノコ」の一軍が奮起しチャシに立籠り、激戦を繰り返した所ついに追放に成功します。その事からこのチャシを「メノコチャシコツ」と呼称するに至ったとアイヌ伝承として伝わっています。